2015年7月7日

海は塩っぱい

久しぶりのオープンウォータースイムレースで鎌倉に行った。
梅雨のまっただ中、前日の天候は「嵐」。どうなることかと気を揉みながら会場に向かうと、やがて海が見えて来た。沖に白波は見えない!安堵のため息が出る。年寄りっぽいな。
とか...最近いちいち己に対する感想が浮かんだりするんだけど、これって悟りへの傾向かしら。それとも老化かしら。まぁいいか。
気が楽に成ってか同行の連中の会話にも冗談が混じる。
受付を済ませてレスキューの解説を聞くと、どっこい沖はウネリが強くて今日は大変だよと脅かされてしまう。
僕は波が大好きっていうくらい好きなので、ウネリ大歓迎。先の心配は波ではなくて去年の様に中止になってしまう心配の事。警報が出ない範囲の状況ならと、逆にワクワクしてしまうのであった。

プォーン、スプレーホーンの音に浜から一斉のダッシュ。
まず第一ブイまで200m。
向かい並みが高くて沖に出るのに楽じゃないけどサーフィンで言うヒザ~コシって程度で辛くは無い。やがて脚が着かなくなって泳ぎ始める。ぐいぐい波が押し寄せる。快感。
ブイはデカイ三角の風船。アンカーロープが斜めにぴんぴんに張っている。波に煽られて身体をこする様にそこを曲がってからは100mごとに立つブイを追う。
1周1.5キロを2周回だ。
浜に平行に進み始めると身体はもろに横波を喰らう。
手を抜き上げようとすると波に叩かれ、波のトップに上がればあるべき所に水が無かったり。無理して格闘してしまっては身体がもたないので、波の押し寄せるリズムをさぐる。
波先から下までコースターの様に舞う。
進路は2カキする間に45度も変わることがあって気が抜けない。コース取りは酷く蛇行する。
呼吸しようと顔を上げると波が被さって水を飲む。
あれ鎌倉はあまり辛く無い?不思議だが海によってかなり塩分濃度が異なるんだな。千葉は辛いし、東京湾は薄味。此処は田舎で出るみそ汁程度。少々濃いけど舌が痺れる事もなく...後のビールが旨かろうだ。
今日はタイムは二の次だな。
楽しもうモードにシフト。

海は広い。波ってすごい。

プールと違って自然は強大、相手があるって本当に楽しい。

「人」は惨めな程儚い。

そういう事を考えさせられるのもオープンウォーターの味わいである。

前回の12分落ち...甘く無い。

2015年7月2日

50%の実力と3%の覚悟

8月の実戦に向けてチマチマいじって最終仕様に組み上げたマシンを、昭和記念公園のサイクリングコースに持ち込んで細かなセッティングを行った。DHバーは公道では危なくて集中出来ない。ファミリーの多いのを覚悟していれば、車や逆走車や歩行者のいないクローズドコースはやはり安心です。ましてや自然ゆかたな公園の中を疾走するのは格別に気持ちがいい〜。
日曜の朝イチ、案外空いていて走れる。ただロードで走ってるのは僕一人。エアロメットまでカブって気合いの入った出で立ちでビミョーに浮いてる、かな。親子連れを追い越すのには人一倍神経を使い、驚かさない様に優しく声をかけたりした。

周回ごとに止まって、サドルの上下前後、DHバーの出、アームレストの配置からドリンク系と寸法調整の試行錯誤を繰り返す。それなりに有意義に詰める事ができたのだけど、同時に不安も抱えてしまった。デローザに比べて明らかにスピードが乗らない。10%以上の差を身体が感じる。どうしてだろうか。ベアリング系のヘタリかな。BBは見えない事を良い事に最近のシールドタイプにしてるし。ハブやフリーも高級なグリースでしっかりオーバーホールしている。だけど...これが旧いマシンの限界かしら。
レースにはやっぱりデローザで出ようかなと揺らいでしまった。
しかし一週間、良~く考えてみると原因は重量に違いない。当時モノのDHバーは明らかに重い。ディスクもギブリじゃないので重く踏み出しでキツい。このコースの高低差は大した事ないけど、常にアップかダウンしてる。シフトチェンジも頻繁。その度に脚力の無い僕には重さを御し切れていなかったんじゃなかろうか、という結論に達した。
本番は木更津の自衛隊基地内部で滑走路を使ったフルフラットなコースで行われる。走り出してしまえばこのマシンでも行けそうじゃないかしら...と気を取り直し始めている。笑える程の楽天家。

オリンピックディスタンス51.5キロは僕にとってのアイアンマン。はたして完走できる可能性はRossinにしたことで53%にダウン。一度だけ完走したことがあるというだけの軽薄な余裕分は見事に吹き飛んだ今日この頃です。