2017年11月27日

ゴッホの隣席

若い頃フランス/シャルトルに居た時である。近所のマルセイユ出の家庭によく招かれていたのだが、彼ら南仏地方では夕食前の1時間程をアペリティフと言って近所の友人達を招いてクッキー等軽いツマミで会話を楽しむのが習わしであった。その時に飲むのが主にパスティスの水割りでした。
パスティス、つまりは禁酒法時代にアブサンの代用品として欧州で広く出回っていた酒である。水で割ると白く白濁するのも同じだし、味は段違いだが方向性という点で同様な種です。一般家庭では解禁されてからもアブサンの半値で買えるパスティスがメイン。そういうモノに触れていて馴染んでいたのを懐かしむ様に帰国後からず~とこれらを嗜んで来たのでした。
という訳でこういう薬草酒にハマっているのが嵩じて、娘とその飲み仲間氏とで興味本位で恵比寿にあるアブサン専門と聞こえるバーにくり出した。他のバーではアブサン等クセの強い酒は嫌われており、これのカクテル等存在しないと言われてしまうのが常だが、此処にはいろいろ揃っている。その上、驚く程旨いんであった。新発見だ。
アブサン+ジン+アーモンド?+卵白+砂糖、これはハマる。
アブサン+ウイスキー+ポートワイン、ゲホッ〜ハードだ。
ベースのアブサンが5〜60度、いずれも強者ばかりだぜ。
控えてるアルコールの反動...たまにはアル中気分に浸りたいものさ。

遠くてよかった...

2017年11月22日

一件落着

なんだか久しぶりの車ネタだな。
それだけ何事も起らなかったのが嬉しいやら寂しいやら。
今回の2CVトラブルは先月の南会津出張にまつわる長距離移動で、高速運転中(とは言っても80~85㎞巡航です)に突然アイドリングしなくなってしまった件である。加速も巡航も何の変化も無く問題無しなのだが、スロー系が機能しなくなった症状であった。また、そう判断したので自宅まで運転し帰宅。

さてSOLEX、とはいっても2バレルキャブは初めて。HAYNESのマニュアル見ても?。寒いし、ばらさずに出来る事を試みてみた。クリーナーで取りあえず見える範囲で各部洗浄。スロージェット、FUELフィルター、ミクスチュアボルトを抜いて経路を洗浄。おやおや?燃料がシミ出て来る?のに気付いた。え~、キャブ廻りのボルト類が全部!緩いではないか。マニへの取り付けボルト4本は均等に軽々15度は回る。キャブの蓋ボルト5本も同様だ。負荷が掛かった時だけ染みてるよう。これだけ染みてれば臭ったはず。いままで何故か気が付かなかった。
年かしら...嗅覚までいかれたのかと少々落ち込む。
また、クリーナーをキャブ下部に吹き付けるとアイドリングが変化する。エアーも吸ってるみたいである。マニ接触部と、おやスロットル軸受け部もあやしい。
前任者は相当締め込みがユルイ方だったらしい。
ガソリンですからね気が付いてよかったです。
こうした試みにて乗れる様にはなったが、まだ本来のスロー機能は完全復活しない。
しょうがないので、キャブを外して丸ごと洗浄することを決心。
エアクリBOXはずして、ツールが掛からないのでオイル注入口もはずして...久々にボンネットの中で楽しいゲームです。
そっくり外して、全部バラして丸洗い。
新たな難問に突き当たる。フロート室にけっこうな量のゴミを発見。何かから剥離したような薄い5ミリ角程度の異物がユラユラしてる...思わずニヤリ、犯人にたどり着いた。
無事逮捕。やれやれ、オーバーホールを済ませサッパリしたキャブを組んでお見事完全復活です。いや、トラブル以前よりフケの印象が少し良い方向に変化したみたいだ。僕の場合旧い車だし、チャンと治るってあまり覚えが無いが、実に溜飲が下がる出来事でした。

2CVはガソリンタンクは樹脂製で錆びないはず?。
キャブにも細かいメッシュのフィルターがある。そこには全くゴミはなかったし。
勿論エアークリーナーもある。
ココに何処からどうして入ったんだろう?。ナゾである。
程度の良い個体でバラした形跡はないようなので組み立て時の事か?。素人的に緩いボルトトルクから考えるに前任者メンテ中の不注意だとも言えようか。
まぁ30年の経過の中でいったい何があったのか、すっかり灰色になった脳みそで考える程になぞは深まる...。

愛も深まる♡。

2017年11月14日

冥土の土産に

今年もやってきました、11月と言えばあの大会。埼玉の小さな会場は参加者があふれてしまい待機所は外駐車場のマイクロバスっす、寒む~。

去年から始めた800mFrリレーです。ワールドランキング入りした鳴り物入りの大会です。ド素人が夢の様な結果に浸れるのに味をしめて恒例としたのです、さ〜て。
去年は僕のタイムが悪かったし、その他も不本意だったようで一年間みっちり?練習を重ねて再挑戦です。目論見が成功すればさらなる好結果が期待できるワクワクのチャレンジ。
その結果は、去年の記録を9秒も短縮する事に成功しました\(^o^)/。
ワールドランキングはすぐには出ませんが、とりあえず大会新記録。
年寄りには200mは長丁場。最初の50mは勢いで入ります。次の50mはその勢いをキープ。そして魔の三本目、疲労も乳酸も溜まって苦しさはピーク。いつもここでビビってペースが落ちてしまうのですが、気持ちをかき立ててもがきます。最後は後50mだという安堵で残った体力全てを解き放ってスパートをかけるのです。そうしてリレーって気持ちが乗るんですよね。チーム一体になってのアドレナリンは特別のようです。ガッツな結果にハイタッチ!。
最近3年程か、寄る年波には勝てず結果が低迷していて楽しさを削いでいたものですが、久々に心ゆくまで美味しい酒を飲む事ができました。

ランキング発表は半年先...待ち遠しいぞ。
はて?我々がランキング入り出来るのは、ちょっと不思議なことではある。確かにその他の種目では恐ろしい程のタイムが並んでいて手が届くレベルではない。
海外では公認競技用プールはほとんどが50m長水路だそう。なので25m短水路競技はメインではないらしい。その上、大会数が少なく人気のない種目である辺りが核心の様だ。それだって良いではないか、取りあえずBOOKに乗った事実は自分の中では十分な名誉です。

おしゃべりな妻が誰彼かまわず言いふらすのには参ってる(^_^;)。

2017年11月8日

夜明けのコーヒー

此処ん処、当地の事務所に協力を求められて、定期的にカメハウスを利用出来る幸運に恵まれている。
ここ5年、此処に来るは単身である。
家族からはカメハウスの話題はすっかり無視されている。絶対的に不便なので誘われるのを極度に恐れているのである。関連の話が出ていると僕のそばには近づかない様にして居るのだ、と思っている。
一人はイイもんだ!。
負け惜しみではないぞ。何をするにも自分の判断だけでいい。
朝、歳のせいなのであろうが、飲んでいても6時には目が覚めてしまう。此処に来て寝たいだけ寝ていられるとは言っても染み付いた貧乏性は抜けないのだ。追い打ちをかける様にリセットし忘れた有能なiphoneが容赦ない。せめて10時までは寝たいなぁ。
身を起こして暫し呆然する。
この間10分...自分でも長いなぁと気付いてヤメる。
おはようと、言う相手も無いし忘れてしまっていい。顔を洗うのだって忘れてしまえるし、歯磨きもつい...。ひげ剃りなんて必要も無い。どだい洗面所も無いし、水は汲みに行くのが面倒なので節約が基本なのだと言い訳ける。起きて兎に角コーヒーを湧かす。一人分で事足りる。味なんて気にするのさえ忘れる。昨晩の飲み過ぎがたたるのであるが、喰いたく無ければメシも忘れてしまえる。忘れてしまえるのなら作る面倒からも解放される。
妻に言わせると潔癖性で神経質な僕なはずなのだけど、コレを自由と言うのである、な。

カーテンを引く。スコーンと抜けたブルーが目に飛び込む。秋晴れの雲一つないイイ天気だ。「サイコー」と独り言。
寝床に埋もれていても仕方ないので、ざっくりと着替えて(全部ではない)散歩に出る。寝間着では寒いのでストライプの入ったジャージを重ね、ニット帽を深めに被る。どう見てもこの村の朝に出くわす地元の年寄り風情だね。つまり、とても此処に相応しい佇まいとでも言ってしまおうか、人っ子一人居る筈の無い秋のスキー場だけど誰も怪しいとは思わないだろうな、と口の中でブツブツ。
声を出す手間も省く。
そして村人一人ぶらりと歩き出す。

紅葉は先週だったかな。
山は、赤や黄色の艶やかな色合いは褪せ葉の落ちた樹も目立ち、錦とは言えず茶色だ。先週だったらなあ。この辺りは針葉樹の植林が少なく広葉樹の見応えある錦絵がとにかくお気に入り。それが見たくて用事の調整を試みるのだけど、30年通っていて絶好機に来れたのはわずか3回でしかない。僕にとって超の付く貴重品なのだ。今年も外したな。
草原のゲレンデを登る。リフト1機分の行程をゆっくりと景色を堪能する。
突然日の光が煌めき眩しさに手を翳す...山々に囲まれているので日の出はこんな時間になる。ぼやけていた茶色の樹々が途端に生気づく。引き際を逸した月が随分薄くなって来ているが、消えるのを惜しむ様に青空に浮かんでる。
気に入ってつい写真を撮る。高校では写真部だったけどその頃から上手く無かったな、と苦笑しながらだ..........そうして期待していなかったのだが帰宅して老眼鏡でやっとマトモに確認したら、見たのより月が随分小さい、それでも案外お気に入りが撮れた。

ほっとするなぁ。
身体の何処かからその「ホッ」が聞こえた気分がする。
我が家は一般的な家庭に比べかなりにぎやかなんであるが、その反動...後遺症にちがいない。
僅かではあるが...寂しい。

2017年10月24日

軽率な野望

マラソン?

スポーツで最も僕に不向きな類いです。
子供の頃から水泳はお手の物でしたが、走るのはからっきしダメ。だから運動会は大嫌い。徒競走はいつもブービーだった。
だけど今回は特別、そんな僕が率先して家族を誘って参加したのである。
ハーフという21キロです。
トライアスロンのランパートは10キロ。練習も出来てなくて...10キロ以上走ったことがない無茶。
大きなお尻の妻はどうやってもこれが限界かと2キロです。
なぜって、色々あって息子を元気にしたかったのだ。
家族皆で走って雰囲気をポジティブに変えたかったんだよね。
それともう一つ、スポーツ仲間の1人が----少々僕より劣っていると思い込んでた輩が----事も在ろうにハーフマラソンで完走したというのだ。このまま放っては置けないとライバル心がメキメキと燃えたからなのである。軽率な野望が後押しです。
家族、総勢9人に声をかけた。で、実際行けたのは4人だったけど、結構盛り上がった。長男次男は仕事が休めず参加出来ず、その代わりと全員のオリジナルデザインTシャツを作ってくれたし。その他も来年の参加を誓ってくれたり、なんだか凄~く楽しい雰囲気を共有出来た。大人になってバラバラになり出してから、久しぶりの家族の和。イイもんです、スポーツのそういう楽しみ方もあったんだね。

さ~て、その顛末であるが、開催を知ったのが遅くて余裕は1ヶ月しかなかった。
普段まったく運動していない、妻と末息子、強度を調整したメニューを課して練習してもらった。そしてそれなりに各自、覚悟を持って臨んだのだが、強烈なハードルが立ちはだかった。
この期には稀な大型台風関東直撃!。前線が刺激されて雨続きの週末となってしまったのだ。
妻が走る土曜日はシトシト雨。ハーフの日曜は土砂降りとなった。
せっかく造ったTシャツも全員雨合羽を羽織っていて見えません。
という天候で初出場が雨、最も心配した妻であったが何と快調に走り完走してしまったのには心底驚いた。膝とか痛めてはと気を揉んだ皆を前に「楽しかった~」と。来年は5キロね、とドヤ顔しきり。
でもこれが後押しか、翌日の土砂降りにも気持ちは途切らせない効果はあったかな。焼き肉食べて指揮上げる。
いよいよ日曜日。
やってやるぞと意気込んでスタートです。マラソンのスタートっていい感じ。トライアスロンではバトルになるっていうのに、皆で走りを共有するような空気がある。隣人に友好感さえ感じるのだ。
運動といってもいろいろやってみないと解らないもんだね。
結果、
娘は酷い雨に恐れをなして棄権。
息子は膝痛を起こして5キロ地点でリタイヤ。
僕はというと、この大会制限時間が厳しく関門が7カ所も設けてあるのだが、16キロ地点で関門にさしかかった僕の目前で突然ロープが張られて、タイムアウトです、と宣告を受けてしまった。
あと5キロ、まだ走れたのに悔しいです。
結局完走証を受け取れたのは妻一人だけ。
でも何か気分晴々。皆もそう思っているか目が輝いてる。
楽しかった。いい経験でした。
結婚して40年、家族っていいな。

当分妻のドヤ顔に閉口するのは間違いない。完走証入れる額を買ってこいって。

2017年9月19日

心のデトックス

千葉でトライアスロンに出場してきました。
スタンダードディスタンスです。
意気込みとは裏腹に結構たいへんなレースとなりました。
毎度ですけどね、へへへ。

スイムは、九十九里浜は波が荒いため海に近い河口で泳ぎます。
川って流れがあるんですよね。
往復周回路で行きはヨイヨイ帰りは怖い的な(汗)。
バイクは有料道路を閉鎖した一直線往復路。
海を眺めながらの絶景コースです。
木更津の滑走路も素敵でしたが。さらに視界が広がるコチラが印象がよかったですね。しか~し、例の大型台風の接近の影響で海風も一直線に向かって来る状況。やはり行きはヨイヨイ帰りは怖かった(汗)。
そうして風に向かって頑張り過ぎたんでしょうね。後半になって腸腰筋を痛めてしまい踏み込みがキツくなってツラかった~。
先日バイクのセッティングを大幅に見直し、身体のあちこちを測定してコンピュータにかけ算出しプロの手でリセッティング。前半はスピードに乗れて流石に漕ぎ易いと思ったのも束の間、異なったセットに身体が付いて行かなかったみたい。痛めた事が無かった部位を故障です。
ゴールして脚をほぐそうと歩いてトランジットに向かっても痛みが納まらない。覚悟を決めてランスタート。
しばらく走ると痛みが上がってしばし歩いてしまう。
そんな繰り返しとなってテンションも自信もズタズタ。
今まで歩いた事無いのが小さな誇りだったのになぁ。屈辱です。
そういう僕を同情の目で見るギャラリーの声援にも俯いたままでむなしく聞き流すしかありません。
コースに迫る荒れる大海原が水平線までくっきりと美しい。のだが、今日だけはその美しさがかえって重たく心に刺さる。
ゴールは砂浜。砂が重くて痛めた脚にキツいんだ。
ギャラリーいっぱいだし、顔が引きつる....。
タイムは30分落ちワースト。
やっちまったぜ。

Triathlon。僕を引き込んだ友人達は皆さん別な楽しみに向かってしまい、もっぱら1人での参加が続いてます。
何故かヤメられない。
イチローもこんな気分かな(いっしょにするな!)。
いつも酷い目にあってるんだけどな。
これ出ると、自分の中のモノ全部空っぽになる。
意欲も興味も挑む気持ちも体力も気力も功名心も見栄も...何もかも。
そして隅っこに隠れていた悪い気持ちも全部です。
すっかり使い果たしてしまうんです。
そこが魅力と言えば魅力かな。
いやリセット出来る故の快感かな。

おかげで1週間は放心状態だ。

伊達もヤメた。宮里もヤメた。体力の限界が見えて来てヤメようかという気持ちも芽生えてきているけど、僕もう一年!走ります。



2017年7月3日

臨床試験

鎌倉にて行われるオープンウォーターのレースに参加してきました。
一時期は完全に棄権するまで落ちた体調でしたが、随分復調が見られたので気を持ち直しての参戦です。
この日は水温21度、波が荒く白波が立っています。例年一周1.5キロのコースを2周回するのですが、沖の方でウネリが強いらしく、1キロに短縮し、3周回行う様に変更になっています。まあ、波が好きなので荒いのに抵抗は有りませんが、周回が短いのは体調的には気が楽に感じます。
さて取り戻した体調ですが、その初めての検証な訳です。
はたして。
という気持ちでスタート。
中程ポジションにて浜からは走らずにゆっくりとエントリー。
泳ぎ始めてもけっして飛ばさずにゆっくり負荷を上げてゆきました。
500m、そろそろ悪い場合は心肺的変調が出始める頃です。しかしながら何のシグナルも発せられてはきません。胸を撫で下ろしながらもペースは押さえたまま。慎重に泳ぎます。復路は元気が出て楽しむ余裕も生まれました。
自然はいいんです。波があって、塩っぱくて、大海原の景観も最高です。前にも後にも、右も左も自分と同じ様に身一つで必至こいてる仲間の姿に勇気をもらいます。
1周目、陸に上がって経過計測。給水し、決して走らずペース優先で慎重に二周目に向かいます。
2周目、気が緩んできたのもあって少々ペースが上がっています。
3周目、ペースは完全にいつものスピードにアップです。少々膝廻りの筋肉が堅くなってツリそうですが、だましだましで切り抜けます。そうしてゴール。
結局、何も心配する変化は起らずでした。
身体リフォーム実験はみごとに成功です。
楽しかった!。
これでTriathlonに出る自信もできましたとさ。

3キロ/57分。
年齢区分6位。
今なら上出来のリザルトと納得です。
酒ヤメてる甲斐があったということですよね。

今日は土曜日、打ち上げ必至。

2017年6月26日

長生きしたい訳じゃない

絶不調。
去年の秋頃から身体の不調を感じていた。それ以前からも年齢に由来するだろう衰えもあって、何だか急に限界に直面した気分だ。
いろいろスポーツに係わっているので、それらの不調は明確に数値に現れてしまうわけで何となくとかの漠然としたものでは無く、症状や降下率、結果について科学的でさえあるのはむしろ好都合とも言えるだろう。年寄りはスポーツすべきなのだ。

まずは血圧。130~140と歳的にまともだったのが、急に160とか心配領域に突入する様になった。それに連動するかの様に、高負荷の運動時に動悸が起る様になった。そういう心肺機能の低下を感じ、負荷を続けることが困難になるような場面が頻発した。ランニング中に心肺機能が停滞し続けられなくなって歩いた。Triathlonのスイム中に泳げなくなり数分休んだ。普段の練習でメニューが消化できず端折る事が増えた。スイムレースのタイムが平均50m当り1.5秒悪化したーこれは致命的。
フィジカルでは、やたら脚筋が痙攣する様になった。50歳の時は4000mから脚がツったが55は3000m、60では2000mになり、春からはすぐツって、夜寝てる時もツってしまったり、異常な程。
慢性的に肩の筋肉が手が挙がらない程に痛い。温灸したり、マグネシウムでマッサージしたり。
そういう体験を通して衰えと認識しネガティブな考えに捕われて...そろそろ僕は限界なのだと。
挙句、危険な海のレースが怖いと感じる様になり、7月の3㎞は棄権しようか、9月のTriathlonはヤメようか...とか。

そんな折に定期健康診断。
いつも血圧と尿酸値以外まったく問題が無いのであるが、心配していた今年も同様だった。ただその2つの値がかなり上がっていた。
高齢の医者に得々と説教された「貴方!酒やめなさい」。
なんか久しぶりに怒られたなぁ。
心に残った。

丁度追い打ちをかける様に、トラの打ち上げで紹興酒飲み過ぎがたたって痛風で(痛)。

そんな訳で、肉体リフォームを敢行するに至ったのである。
血圧系では...。
酒は土曜しか飲まない!どうだ凄いだろう(涙目)。
血圧計を常用し、血圧を監視。最近出回っている血圧サプリを試す。
筋肉系では、試行錯誤の上、加齢に起因する筋肉量の低下が原因ではないかと考え、タンパク質を多く摂取し、筋肉量増々系サプリを試してみた。ムキムキになりたい訳では無いので半量程度の服用です。
始めて3ヶ月、何だか身体が軽いゾ、と明らかな改善を覚える。
動悸が止まった。
ツリ易い症状が出なくなった。
肩の痛みがいつの間にか無くなっていた。
練習メニューをこなせる様になった。
おいおい、なんだかヤバくない~っ、かなりね。
物事、好転すると全てがポジティブに変わる。ヤル気も上がるし、攻める気にもなる。チャレンジングであれば結果も出て来る。一時の落胆さえ、一連のチャレンジの中での価値ある行程だったかと思えて来る。
そう言えば、タバコも同じ様な理由でヤメたんだった。
まぁ、いずれにしろ僕の身体能力はかなり禁欲的管理を必要としてるのは確かだ。
このままだと長生きするのは間違いないな。

週イチの酒が女々しいって?いえそこは僕らしい...。


2017年4月7日

身も蓋も無い話

昨年暮れの大会でのことである。そういう挑戦だとわかって泳いだ結果だが、タイムがイマイチだったし時間が経過しすっかり忘れてしまっていた。そうした中で先日カントクから突然の告示を受けた。
FINA国際水泳連盟 Masters Top 10 Rankings についにランクインしたという。
えっ!!!!!。
エクスクラメーションマークを幾つ重ねればいいだろう。
まったく頭に無かったのでさすがに心底驚いた。すでに15年程泳いで来て、金メダルにも大会新記録にも嬉しいのだが驚く様な事では無くなっている。初めて貰った金メダルでは、そう、想像の範囲で大きな喜びではあって、元気なオッサン達のドングリの背比べで楽しんでもらえたかというご褒美だったと。
そんな感じでタラタラ楽しんでいた水泳道楽だった。
それがいきなり世界10位って...想像の及ぶ範囲を超越してしまっている。地球規模!.70億以上の人間が居て競技人口200カ国1200万人が泳いでる中だよ。頭位60センチあるデカ頭の僕だけど、激しく混乱した。

800mフリーリレー。1人200mクロールで泳ぎます。4人組みで合計年齢240歳!以上というメデタイ枠です。
僕と近い2人のオッサンと組み、余った年齢分ギリギリの若者を1人入れた。そういう作戦で、皆持ちタイムを皮算用し僅かな可能性を見込んで挑んだ。結果、僕のは予想タイムに15秒届かなかったのである。
自分を褒めたいという気は起らない。
だから...人には気恥ずかしくて言ってない。
とは言っても家族には大いに自慢してしまった...♡。

こう言っては身も蓋も無いが早い話し若いのが頑張った結果ですって。

2017年3月22日

右肩上がり

マスターズ大会で400m個人メドレーに出場した。かのハギノ君が得意なヤツだが僕の実力を考えればまったくヤバい話である。
無論最初のバタフライ100mが関門だ。この種目、100mに出た事も無いのにその後に300mも泳がなくてはならない訳で、ゆっくり泳げばどうにかなる話では無くバカな挑戦であることはどう考えても間違いない。
なぜこう無謀な事になったかというと、我がクラブではチーム内での歴代の記録が各種、各年齢で挙げられていて皆の指標にされている。そのリストでいくつか空欄が存在するのである。
つまり誰も未だ挑戦していないってワケだ。ということは完泳すれば即、新記録となるのである。これは全国に展開し会員が多い我がジムクラブにあっては実に名誉なことなのだ。と思う...いや、そう諭された。大会の打ち上げで。空欄だったらとりあえず行ってくださいと、いう顛末である。
乗せられ易い素直な性格は60過ぎても変わらない、いやより易くなる傾向にあるか。それと共に既にリストアップされてるタイムは全て僕の手の届く物ではなく、空欄だからこそ名前が載る!面白いんじゃない。って言うスケベ根性も右肩上がりっす。

さて、実際はジムのプールも市民プールもそれなりに人が居てクリアな状況で400mを通しで練習が中々できないんであった。焦った。準備期間は2ヶ月あったのだけど、ちゃんと泳げたのはわずか5本だけ。ペースも何も解らないまま大会当日を向かえてしまったのでした。
Flyでは入水で脱力し、心肺系負担を軽減する為にクイックターンは無しで、Fly後のバック50mは回復に当ててゆっくり泳ぐ作戦です。
そういうあれこれ考え事しながらスタートしたのがいけなかった、何とゴーグルに浸水というとんでもない事態に!。これは事件です。
あたふた迷走する脳みそを落ち着かせ、慎重にバタフライ。
ターンがヤバい。目が悪いのと合わせて壁が良く見えない。
勿論となりのレーンも見えないので、自分の順位も解らない。
そうして背泳ぎへ。
水の入ったゴーグルは上を向いても水の中...。
頼りの5mフラッグが見えない。ターンはほぼ勘!。身体ごと壁に当ったり、肘を厳しくぶつけたり。それでもえらいこっちゃなぁ〜と案外腹が据わる。そして気持ちは途絶える事無く残りをこなし、無事400mを泳ぎ切った~。
いつもの様に電光掲示板へ振返っても水の中...。
ゴーグル上げて水を抜くと目に飛び込んだのが8分切り!3位!。と望外の結果。何が起るかわからないのが僕のレース。久しぶりに嬉しい結果に浸れました。

恐ろしいことに200mバタフライが空欄なのですよ。ど~する?。

2017年2月7日

カメハウスの朝

さぶ~。
冬用の寝袋を出して電気敷き毛布をonにし、着のまま半身を突っ込む。
ぬくぬくと気持ちがいい。
案外ケッコウじゃないか。
マイナス20度はいけるな...。
思考は完全に常人の域を逸してる。

酒は半分を過ぎた。
そしてついにはそのまま横倒しになって夢の中へ。

ガーガー煩くて目を覚ます。
ああ、重三さんか。
友人がゲレンデ監理を請け負っていて、シーズンは徹夜でゲレンデを圧雪しているのだ。3時を過ぎると山の上方から降りて来て、麓や駐車場廻りを除雪する。苦労を思うと恐縮だが、煩くて寝てやしれない!。
ふと小用を覚え外に出る。
トイレが遠いので、夜は近場で済ますのだ。
空気はキーンと冴え渡り、星空は綺麗を越えて夜の天井がボロボロになったかの様で、黒い部分が少なく見える。
山のあちこちに圧雪車のヘッドライトが踊ってる。
こういう状況に身を置ける境遇にすごく満足を覚える。思わず深呼吸。脳みそをPラムクリア。

さてと震えながら雪の階段を下りて小屋に戻る。笑っちゃうけど室温は外と同じだ。
雪を落として寝袋に突入。

カーテンの隙間から差し込む朝日で目を覚ます。
あぁ7時。

寝袋から手を延ばしてポットのスイッチをon。
昨日のカップをティッシュで拭いてネスカフェ。
見た目程旨く無いパンをかじる。
アイスBOXに入れ忘れた物は全部凍っていて食べれないのだ。
隙間から這い出て来たカメ虫の残党を掃除機で吸い取る。

一晩で完全に山男に変わっていた。
エベレストだって行けそうじゃないか。

リフトが動きだし、アナウンスが呼んでいる。
冷えひえカチカチのラングに手こずる。
今日は目一杯滑るぞ~。

2017年1月26日

カメハウスの夜

家族の事件で二年空けてしまって、ようやくスキーに来る事が出来た。
腐ってしまったかと心配だった、我が別荘!カメハウスは取りあえず無事であった。
少ないと思われていた雪、年明けからの寒波でご覧の通り半分埋もれている。雪荷重がたたって少々ナナメってるし、外壁も痛んでいるが可愛いもんだ。長年って思い返せばすでに25年目かな、家族で作って修理してと手をかけて来たのでこいつも我が家の一員だ。

2CVを50m手前で止めて、スコップを持ち出してラッセルする。小屋に到達し、入り口を開けるのに30分。まあ普通、大した事は無い(大汗)。
何故か鍵がなくなっている?。
隣人が使ったのかな?。内部に問題は起っていない。
だいたいこの村に鍵はいらないし。
ぶつぶつ言いながらコードを持ち出して隣家のコンセントにつなぐ。電気は引いてないので25年隣の世話になっている。
裸電球がホワっ~とオレンジ色に灯る。
空き家にも灯が灯ると生を吹き返したかの様である。
まずは3年ぶりの掃除から。掃除機を引っ張り出して徹底的に!。
この地域では小屋の名前にもなるカメムシが多い。大発生の年には掃除機が2回満タンになる!。今年は100匹程度かな、普通だな。
ふと天井を見上げると奇怪な塊!が目に飛び込む。
メロン大の蜂の巣だ!。ぞ~っとして凝視するも蜂の気配が無い。あはは、こいつも空き家なのだ。それでも少々怖いので巣はそのままにいじらないことにした。何でもイナカでは蜂の巣は縁起ものと言うし、家族を連れて来た時に見せたいし。でも来なかった2年、もし来ていたら確実にやられていたのだろうな。家族の不運も僕の幸運だったのかしら...妙な気分。
さて、荷物の運び込み。
旧いフィッシャーに旧いラング、私物のバッグ、食料のアイスボックス、石油タンク、そしてご近所さんへのお年賀の品。
雪まみれになって息が弾む。
往復の度に通路が踏み固められ転ばなくなってくる。

次に暖房機のチェック。
給油を済ませボタンを押して点火...着かない!。
絶叫した。
夜はマイナス15度は行くこの場所では死活問題だ。
あれこれいじくり回して、結局、外部に突き出た吸排気筒が、屋根の落雪で折れ曲がっていた。
仕方が無いか。
予備の電気毛布を確認し、このまま逗留することにする。
村の友人に助けを求める最後の手段も残されているが、こんなとこで暮らす奇行を笑われてる関係でおいそれと弱みは見せられない。この程度、鼻で笑ってこなさなければコケンに係わるのだ。
事実、翌日それを知った友人の目つきには確かに尊敬の色が混じっているのを見たし。

次は給水システムの復旧。
と言ったってポリタンクに水を汲みに行き、流し台の上に上げて蛇口を捻る...折れた!。
いやー参ったな。これもすぐには直せない症状だ。
まぁ一人だし、炊事しなければ問題は無い。
一応の引越が済み、何はともあれ湯を沸かしてコーヒーを飲む。
さぶ~。
寒さに急かされて峠の向こうにあるいつもの温泉に行く。

何だか都会の垢が落ちた気分になる。
ひとときの温もり。幸せだ〜。
帰路は暗くなって気温が下がり凍結が始まっている。怖々と、そしてジモトの車をぶっちぎる。2CVではこんなシーンでないと気晴らしは出来ない。

独りだとココではマトモな物は食べない。
先ほど町のマーケットで出来合いを買い込んできた。オカラの和え物、ホウレンソウのおひたし、もやし、焼き肉、が今夜のメシ。
ジモトの酒「会津」一升。これさえ在ればいいのだ。
電気毛布を膝掛にしニット帽をかぶり目一杯着込み、KeithのItalia SoloをBGMに、カセットコンロにフライパンを広げチリチリ肉を焼き、酒を煽り、本を読む。
トロリと本に溶け込む。

静かなことに気付きふと外を見る。
リフトが止まっていて、アナウンス音も静まり、食堂の灯も落ち、スキー客の車もなくなっていた。
音が無い。
空は期待通りに星が降るようだ。
明日は晴だな。
火のつかない暖房機でもデジタル表示に氷点下の室温だけが煌々と疎ましい。
さぶ~。