2017年11月27日

ゴッホの隣席

若い頃フランス/シャルトルに居た時である。近所のマルセイユ出の家庭によく招かれていたのだが、彼ら南仏地方では夕食前の1時間程をアペリティフと言って近所の友人達を招いてクッキー等軽いツマミで会話を楽しむのが習わしであった。その時に飲むのが主にパスティスの水割りでした。
パスティス、つまりは禁酒法時代にアブサンの代用品として欧州で広く出回っていた酒である。水で割ると白く白濁するのも同じだし、味は段違いだが方向性という点で同様な種です。一般家庭では解禁されてからもアブサンの半値で買えるパスティスがメイン。そういうモノに触れていて馴染んでいたのを懐かしむ様に帰国後からず~とこれらを嗜んで来たのでした。
という訳でこういう薬草酒にハマっているのが嵩じて、娘とその飲み仲間氏とで興味本位で恵比寿にあるアブサン専門と聞こえるバーにくり出した。他のバーではアブサン等クセの強い酒は嫌われており、これのカクテル等存在しないと言われてしまうのが常だが、此処にはいろいろ揃っている。その上、驚く程旨いんであった。新発見だ。
アブサン+ジン+アーモンド?+卵白+砂糖、これはハマる。
アブサン+ウイスキー+ポートワイン、ゲホッ〜ハードだ。
ベースのアブサンが5〜60度、いずれも強者ばかりだぜ。
控えてるアルコールの反動...たまにはアル中気分に浸りたいものさ。

遠くてよかった...

2017年11月22日

一件落着

なんだか久しぶりの車ネタだな。
それだけ何事も起らなかったのが嬉しいやら寂しいやら。
今回の2CVトラブルは先月の南会津出張にまつわる長距離移動で、高速運転中(とは言っても80~85㎞巡航です)に突然アイドリングしなくなってしまった件である。加速も巡航も何の変化も無く問題無しなのだが、スロー系が機能しなくなった症状であった。また、そう判断したので自宅まで運転し帰宅。

さてSOLEX、とはいっても2バレルキャブは初めて。HAYNESのマニュアル見ても?。寒いし、ばらさずに出来る事を試みてみた。クリーナーで取りあえず見える範囲で各部洗浄。スロージェット、FUELフィルター、ミクスチュアボルトを抜いて経路を洗浄。おやおや?燃料がシミ出て来る?のに気付いた。え~、キャブ廻りのボルト類が全部!緩いではないか。マニへの取り付けボルト4本は均等に軽々15度は回る。キャブの蓋ボルト5本も同様だ。負荷が掛かった時だけ染みてるよう。これだけ染みてれば臭ったはず。いままで何故か気が付かなかった。
年かしら...嗅覚までいかれたのかと少々落ち込む。
また、クリーナーをキャブ下部に吹き付けるとアイドリングが変化する。エアーも吸ってるみたいである。マニ接触部と、おやスロットル軸受け部もあやしい。
前任者は相当締め込みがユルイ方だったらしい。
ガソリンですからね気が付いてよかったです。
こうした試みにて乗れる様にはなったが、まだ本来のスロー機能は完全復活しない。
しょうがないので、キャブを外して丸ごと洗浄することを決心。
エアクリBOXはずして、ツールが掛からないのでオイル注入口もはずして...久々にボンネットの中で楽しいゲームです。
そっくり外して、全部バラして丸洗い。
新たな難問に突き当たる。フロート室にけっこうな量のゴミを発見。何かから剥離したような薄い5ミリ角程度の異物がユラユラしてる...思わずニヤリ、犯人にたどり着いた。
無事逮捕。やれやれ、オーバーホールを済ませサッパリしたキャブを組んでお見事完全復活です。いや、トラブル以前よりフケの印象が少し良い方向に変化したみたいだ。僕の場合旧い車だし、チャンと治るってあまり覚えが無いが、実に溜飲が下がる出来事でした。

2CVはガソリンタンクは樹脂製で錆びないはず?。
キャブにも細かいメッシュのフィルターがある。そこには全くゴミはなかったし。
勿論エアークリーナーもある。
ココに何処からどうして入ったんだろう?。ナゾである。
程度の良い個体でバラした形跡はないようなので組み立て時の事か?。素人的に緩いボルトトルクから考えるに前任者メンテ中の不注意だとも言えようか。
まぁ30年の経過の中でいったい何があったのか、すっかり灰色になった脳みそで考える程になぞは深まる...。

愛も深まる♡。

2017年11月14日

冥土の土産に

今年もやってきました、11月と言えばあの大会。埼玉の小さな会場は参加者があふれてしまい待機所は外駐車場のマイクロバスっす、寒む~。

去年から始めた800mFrリレーです。ワールドランキング入りした鳴り物入りの大会です。ド素人が夢の様な結果に浸れるのに味をしめて恒例としたのです、さ〜て。
去年は僕のタイムが悪かったし、その他も不本意だったようで一年間みっちり?練習を重ねて再挑戦です。目論見が成功すればさらなる好結果が期待できるワクワクのチャレンジ。
その結果は、去年の記録を9秒も短縮する事に成功しました\(^o^)/。
ワールドランキングはすぐには出ませんが、とりあえず大会新記録。
年寄りには200mは長丁場。最初の50mは勢いで入ります。次の50mはその勢いをキープ。そして魔の三本目、疲労も乳酸も溜まって苦しさはピーク。いつもここでビビってペースが落ちてしまうのですが、気持ちをかき立ててもがきます。最後は後50mだという安堵で残った体力全てを解き放ってスパートをかけるのです。そうしてリレーって気持ちが乗るんですよね。チーム一体になってのアドレナリンは特別のようです。ガッツな結果にハイタッチ!。
最近3年程か、寄る年波には勝てず結果が低迷していて楽しさを削いでいたものですが、久々に心ゆくまで美味しい酒を飲む事ができました。

ランキング発表は半年先...待ち遠しいぞ。
はて?我々がランキング入り出来るのは、ちょっと不思議なことではある。確かにその他の種目では恐ろしい程のタイムが並んでいて手が届くレベルではない。
海外では公認競技用プールはほとんどが50m長水路だそう。なので25m短水路競技はメインではないらしい。その上、大会数が少なく人気のない種目である辺りが核心の様だ。それだって良いではないか、取りあえずBOOKに乗った事実は自分の中では十分な名誉です。

おしゃべりな妻が誰彼かまわず言いふらすのには参ってる(^_^;)。

2017年11月8日

夜明けのコーヒー

此処ん処、当地の事務所に協力を求められて、定期的にカメハウスを利用出来る幸運に恵まれている。
ここ5年、此処に来るは単身である。
家族からはカメハウスの話題はすっかり無視されている。絶対的に不便なので誘われるのを極度に恐れているのである。関連の話が出ていると僕のそばには近づかない様にして居るのだ、と思っている。
一人はイイもんだ!。
負け惜しみではないぞ。何をするにも自分の判断だけでいい。
朝、歳のせいなのであろうが、飲んでいても6時には目が覚めてしまう。此処に来て寝たいだけ寝ていられるとは言っても染み付いた貧乏性は抜けないのだ。追い打ちをかける様にリセットし忘れた有能なiphoneが容赦ない。せめて10時までは寝たいなぁ。
身を起こして暫し呆然する。
この間10分...自分でも長いなぁと気付いてヤメる。
おはようと、言う相手も無いし忘れてしまっていい。顔を洗うのだって忘れてしまえるし、歯磨きもつい...。ひげ剃りなんて必要も無い。どだい洗面所も無いし、水は汲みに行くのが面倒なので節約が基本なのだと言い訳ける。起きて兎に角コーヒーを湧かす。一人分で事足りる。味なんて気にするのさえ忘れる。昨晩の飲み過ぎがたたるのであるが、喰いたく無ければメシも忘れてしまえる。忘れてしまえるのなら作る面倒からも解放される。
妻に言わせると潔癖性で神経質な僕なはずなのだけど、コレを自由と言うのである、な。

カーテンを引く。スコーンと抜けたブルーが目に飛び込む。秋晴れの雲一つないイイ天気だ。「サイコー」と独り言。
寝床に埋もれていても仕方ないので、ざっくりと着替えて(全部ではない)散歩に出る。寝間着では寒いのでストライプの入ったジャージを重ね、ニット帽を深めに被る。どう見てもこの村の朝に出くわす地元の年寄り風情だね。つまり、とても此処に相応しい佇まいとでも言ってしまおうか、人っ子一人居る筈の無い秋のスキー場だけど誰も怪しいとは思わないだろうな、と口の中でブツブツ。
声を出す手間も省く。
そして村人一人ぶらりと歩き出す。

紅葉は先週だったかな。
山は、赤や黄色の艶やかな色合いは褪せ葉の落ちた樹も目立ち、錦とは言えず茶色だ。先週だったらなあ。この辺りは針葉樹の植林が少なく広葉樹の見応えある錦絵がとにかくお気に入り。それが見たくて用事の調整を試みるのだけど、30年通っていて絶好機に来れたのはわずか3回でしかない。僕にとって超の付く貴重品なのだ。今年も外したな。
草原のゲレンデを登る。リフト1機分の行程をゆっくりと景色を堪能する。
突然日の光が煌めき眩しさに手を翳す...山々に囲まれているので日の出はこんな時間になる。ぼやけていた茶色の樹々が途端に生気づく。引き際を逸した月が随分薄くなって来ているが、消えるのを惜しむ様に青空に浮かんでる。
気に入ってつい写真を撮る。高校では写真部だったけどその頃から上手く無かったな、と苦笑しながらだ..........そうして期待していなかったのだが帰宅して老眼鏡でやっとマトモに確認したら、見たのより月が随分小さい、それでも案外お気に入りが撮れた。

ほっとするなぁ。
身体の何処かからその「ホッ」が聞こえた気分がする。
我が家は一般的な家庭に比べかなりにぎやかなんであるが、その反動...後遺症にちがいない。
僅かではあるが...寂しい。