2013年1月15日

雪中の数学問答

正月の山ごもりにと、お似合いな書物を持って行った。
「フェルマーの最終定理」
一人、雪の中で長い夜を過ごすのにふさわしい強力なオーラを持った題名だろうとアマゾンでゲット。僕は、とくに数学は正直あまり得意ではない(こう書くと仕事の信用を減らしそうだけど、本業の計算はこれ程難しくはないので心配無用)。
その得意でなかった僕が、教科書以外で初めて読んだ数学の本です。

山小屋の裸電球の下で最初のページを開ける。17世紀から350年間もの長きに渡り解明できなかった超難問にまつわる時代背景や、これを解いたワイルズの人生が、殆ど数式のないまま、すばらしく鮮明に表現されていた。へたな創作文学等が近づけない数学界の最も神秘的なドラマです。
ちょっと興奮してしまう程の書物だった。
読書趣味の無い僕にあっても、独りの夜が短いと思える程、驚異的なスピードで読めてしまった。そうしたら読み終えたのが残念に思えて、もう一回ちゃんと読み直そうと、今日最初からめくり直し始めている。少ないとはいっても象徴的に出て来る数式部分もちゃんと向き合って理解したいと思っての事だ。
そう思わせる本に出会えたのが嬉しい。

知り合いに数学者が居るんだが奴が何考えてるのか少し判って来た。

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