2008年3月1日

ボディコン

僕が初めてGIULIAに出会ったのは、若さ故に六本木界隈をチョロチョロしだした頃だったなぁ。ディスコから出て来て、ふとロアビル(まだ在るのかな)の前に止まっていた妙な車に釘付けになってしまった事が思い出される。近づく間もなく走り去ってしまった車を調べようとも解らないままにしていた数年後、今度は中央線に乗っていて、遠目に東小金井の駅前に止まっている車が確かにあの個体であることを確信してから胸騒ぎを抱き続けることになったのだ。長い話になりそうなので割愛しよう。それから10年、やっと登場する秘密基地であるが、最初に寄ったのは何と!ルノーR8ゴルディーニが入っていたからでした。開店間もない頃はいろいろな車種があって、愚かにも33の意味も知らず師匠の人柄ゆえかたびたび出入りする様になった頃、ようやくGIULIAを目の当たりにすることになったのでした。そうか、これはジュリアスーパーという車だったのか!長年の胸のつかえが落ちると共に決断には時間がかからなかったという訳でした。思い返せばまったく罪深い事に、Alfa Romeoの栄光の歴史もGTAの活躍も知らないで、ただこのデザインだけ!が全てだったんです。             先日の酷い風ですっかりホコリまみれになって痛々しいGIULIAを引っ張り出しキレイに磨き上げると、輝きを取り戻したボディーに何時もの様にウットリしてしまいました。コのデザイナーは紛うことなき天才ですね。ベルリーナデザインは機能的な制約が多く、クーペの様にストレートにかっこイイを狙えない。四角いメインボディーの上に大き過ぎるキャノピーが乗って、整理し難い4枚ドア、という要素を処理する上で、普通なんとか四角くならない様に考えがちな所。コイツはそれを逆手に取ったかの様な迫りっぷりだ。まず何よりボンネットからフロントガラスへなだらかに続いてる事がスゴい。そして、サイド全長をエグルように角を削ってしまったのがまたスゴい。これによってキャノピーがボリューム以上に際立って見え、セダンらしさをデフォルメしたような妙なバランス感覚を生んでいる。だから遠目にも個性が曇ることがない。そして、その長いエグリの終わり方がスゴ〜い。信じられない様なリアの凹んだ造形の最も避けたかったであろう角部にズンズン向って行き、寸前でスっと丸く終えてしまっている。人知を超えた技に開いた口が塞がらない。よく見て行くとサイドのエグリの下のラインはボンネットからボディーサイドへと延び、丸くなった後端部を経て戻る様にドアガラス敷居からフロントガラスの下端にまで回り込み、左右を1周して続いているのが解る。先代のジュリエッタベルリーナのクレイモデルに、正面からサンドブラストを当てて削り出された様な造形に、こんな四角いセダンにありながらも「風」を感じてしまう。このとんでもないアイデアは屋根部でも繰り替えされ、シツコさはイタリアか!とツッっこんでみる。そうしてシコシコワックスを掛け進みリアに回り込むと何時もヘタり込んでしまうことになる。神の技と思える凹みにもう言葉も無い・・・・・醜いって誰が言ったかな。

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